曲をなめらかに弾くための練習法

今日のお話のお題、「曲をなめらかに弾くための練習法」はシットリ系の曲を弾くうえで、とても重要な要素です。

これは「指が早く回るための練習」などのように派手な感じではないのですが、同じようにとても大変な練習です。私もこれはなかなか苦手で、きっと一生の課題になると思っています。

まず、なめらかな演奏にするためには、意外かもしれませんが強い指は必要です。

え?柔らかい、なめらかな曲なんだから指もやわらかくていいのでは?と思われませんか?

柔らかいなめらかな表現というのは、その音をきちんとキープしたり次の音への渡しの部分がきちんとできる、ということが大切です。
指が弱いとデコボコしたり、次の音まで押さえたままキープというのが難しくなります。

強いというのは力むということではなく、きちんと鍵盤に、指に、体重が乗って押さえられているということです。

その逆をチャラ弾きといいますが(言いませんかね・笑)
全然音に重みがなくチャラチャラかすれたような音になることです。

そうではなく、きちんと粒立って音が鳴っている状態です。指がきちんと独立していなければ、こういう動作はできません。

そのためにはハノンなどの基礎練習が必要で、そうすることで強い指になっていきます。
基礎練習というのは、一つずつの指が同じ力で一つずつきちんと音を鳴らせるようになる練習です。
地味ですが、ピアノは10本の指がそれぞれの力加減をコントロールできることで、素敵な演奏になります。そのためには、まずは一つずつ同じ音で鳴らせるように練習をします。

趣味でピアノを弾かれるときに、そこまでストイックにやらなくても良いかもしれませんが、もし美しい演奏を目指すのだ!と思われる場合は、ぜひチャレンジしてみてください。

何も考えずに、ドレミファソファミレド、と弾いてみます。おそらく指の強さで音の大きさがバラバラになると思います。特に薬指や小指は弱いので、音が小さくなりがちです。
これを同じ音量で同じ速度で弾けるように、ちょっと意識してみてください。

このときにいちばん大切なのは「力まないこと
意外と疲れますし、神経を使いますね(笑)

ですが、こうした反復練習が実は強い指を作ることになり、なめらかに弾くためには、結果的に強い指は必要、になってくると思います。 

人で言うと「強い人ほどやさしい」ということでしょうか。
(ちょっと例えが違いますか???)

何にしても、「強さ」と「しなやかさ」は表裏一体だと思います。

そしてその最強の指!!を使って、均等に鳴らしていく、ボコッと一つの音だけが飛び出たりしないように、フレーズの終わりの音は細心の注意を払ってきれいに納めて。
あとは音の渡しの部分が苦手な方は、その部分だけ取り出して練習します。
わざと音を残して、ゆっくりゆっくり次の音の準備に時間をかけ、しっかり鍵盤に指をのせ、もうここまですれば絶対にきれいに次の音か弾ける!!くらいな確実な取り方で弾く。

めちゃくちゃゆっくりテンポ、場合によっては止まってこの作業をしてもよし、みたいな練習をします。ゆっくり弾くことは、とっても良い練習方法です。

指のことも、あとは頭を使うことも、どちらもやらないといけない。ついつい指だけになってしまうので、スローモーション練習は良いと思います。

ピアノの練習って、回数とか速く弾くとか、そこだけではなくむしろ、その逆をやればとても身に付くことがあります。

ぜひ、ゆっくり、気持ちも穏やかに、涼しげに!?練習してみてくださいね。

そして、なめらかな演奏を手に入れてみてください。

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