あなたはピアニストの演奏会などに行かれた時、時々ピアニストのブレス、息継ぎを目にしたことありませんか?
もしくはリアルに鼻息が聞こえる、とか。
これはピアノ弾きあるあるで、逆にブレスや鼻息聞こえない方っていらっしゃらないかも。
曲の弾き始めに息を吸ったり、スラーの切れ目でブレスを入れたりと、歌うような弾き方をされていると思います。
これは演奏に何か影響があるのでしょうか。
はい!大ありなんです!
ピアノは鍵盤を叩く楽器、息を使う管楽器ではありません。
ですから直接的に音を出すためのブレスではありません。
ピアノにしても弦楽器にしても、息を必要としない楽器でも、管楽器や声楽のようにブレスが必須のものでも。やっていることは同じ、「音楽を奏でる」ことです。
この、音楽を奏でるためにブレスはとても重要なんです。
学生の時に
「歌が歌えれば音楽的に素晴らしい。
それは、フレーズを意識してブレスが出来るから。
そして、歌詞があり、表現することを考えるから。
器楽も歌詞こそないけど、ブレスに関しては同じ。」
と言われたことがあります。
まさにそうですね!
歌心のない器楽の演奏はただつまらなくなってしまいます。
どこでブレスをするか、この時点でフレーズを意識します。
何処までが一つの音楽として繋がっているか、そしてこれの繰り返しで一曲が成り立っている、というところまで考えます。
このフレーズという超大切な要素、語るととても長くなりますのでサラッとですが、大体楽譜で言うと、スラーが繋がっているところまで、と思ってよいと思います。
スラーがないところでも、休符がヒントになったり、歌ってみてここまではひとくくり、というすこし漠然としているようで、案外理にかなっているようなところもありますね。
そしてこの1フレーズ、クレッシェンドやデクレッシェンドを付けてふわ~っと美しく、または情緒豊かに歌えるといいですね。
一度、ブレスとか呼吸を全く考えないで、ただ鍵盤を叩くという作業(!?)で弾いてみてください。なかなか弾きにくいしつまらないです。
今度は本当に音楽に合わせて息を吸って~、吐いて~、をやりながら弾いてみてください。とてもスムーズに音楽が流れるのではないでしょうか。
あ、でも時々「呼吸ばっかり気になって指が止まります!」というご意見もあったりします。確かにそれもありそうです。
2つのことを同時に、いえ、2つどころか右手と左手、楽譜見て呼吸、4つのことでしょうか、これは慣れるまで難しいかもしれません。
でもこれが出来ると本当に音楽が変わります。
美しくなるし、心と音がひとつになる感覚を実感されると思います。
ミスタッチとかあまり気にせず、是非心地よいピアノを意識してみて下さい。一つ上のレベルの音楽ができますよ。
鼻息荒く~~~!
頑張ってみましょう♪